2024年7月、山口県瀬戸内海の海底に眠る戦艦陸奥へテクニカルダイビングで潜ってきました。全長225mを誇る世界七大戦艦の一隻である陸奥は、1943年の謎の爆発により沈没した歴史的価値の高い沈没船です。
この記事では、戦艦陸奥の歴史的背景から実際のダイビング体験まで、テクニカルダイビングによる探索の全貌をお伝えします。透明度の厳しい瀬戸内海での挑戦的なダイビングを通じて見えてきた、80年前の戦艦の姿を詳しくご紹介します。
戦艦陸奥とは|世界七大戦艦の歴史
戦艦陸奥の基本スペック
- 竣工年:1921年
- 全長:225m
- 主砲:41cm砲(世界最大級)
- 射程距離:約30km
- 沈没年:1943年(謎の爆発事故)
1921年に竣工した戦艦陸奥は、当時世界に7隻しかなかった41cm主砲を備えた巨大戦艦でした。そのため「世界七大戦艦」と呼ばれ、日本海軍の象徴的存在でした。
しかし、第二次世界大戦中の1943年、瀬戸内海での停泊中に謎の爆発により沈没。航空機戦の時代への移行により、実戦で交戦することはありませんでした。
日本で潜れる沈没船との比較
戦艦陸奥の圧倒的なスケールを理解するため、日本で潜ることができる他の沈没船と比較してみましょう:
| 沈没船名 | 全長 | 場所 | 種類 |
|---|---|---|---|
| 戦艦陸奥 | 225m | 山口県瀬戸内海 | 日本海軍戦艦 |
| USS Emmons | 106m | 沖縄県古宇利島 | 米軍駆逐艦 |
| LST447 | 100m | 沖縄県慶良間 | 米軍補給船 |
| 旭16号 | 81m | 静岡県熱海 | 砂利運搬船 |
| 沈船あまみ | 57m | 鹿児島県奄美大島 | 海上保安庁巡視船 |
※戦艦陸奥は一部引き揚げられているため、全長すべてを見ることはできません
戦艦陸奥ダイビングのアクセス情報
利用ダイビングショップ
Love&Blue(山口県柳井市)
アクセス詳細
- 港からダイブサイトまで:約1時間
- 交通手段:クルーズ船(揺れが少なく快適)
- 潮汐条件:小潮・長潮期間が推奨(潮流が激しいため)
推奨ダイビングスタイル
戦艦陸奥の全容を余裕を持って探索するには、テクニカルダイビングが必要です。レクリエーションダイビングでは時間的制約があり、十分な探索が困難です。
テクニカルダイビングプラン詳細
ダイビング条件
- 水深:約40m
- ダイブタイム:70分
- 減圧時間:20分
- 透明度:3m〜10m
- 水温:21℃
- ダイブ本数:2日間で計4本
ダイビング構成
- 船首部分の探索
- 船体中央部の探索
- サイドマウント構成でエントリー
- トップ14m地点で集合後、探索開始
沖縄の透明度の良い海に慣れたダイバーには、瀬戸内海の条件は挑戦的ですが、これもテクニカルダイビングの重要なスキル向上要素です。
戦艦陸奥探索で発見したもの
船体外部の発見物
武装関連
- 主砲41cm:当時世界最大、現在は水底に沈んでいる
- 副砲:透明度の制約で撮影困難
- 測距儀:砲撃の照準装置
艦橋・居住区画
- 2段ベッド:天地逆さだが、当時の生活感が伝わる
- 木製タンス:80年前の生活様式を物語る
生活用品
- ビール瓶:兵士の嗜好品、箱詰め状態で発見
- 食器類:当時使用されていた食器
- 便器:100年近く前の設備
機械室・設備
- ボイラー室関連設備
- 機械類:覗き窓から内部の複雑な機械を確認
ペネトレーション(内部侵入)について
今回は限定的でしたが、一部の頭上閉鎖空間への侵入も体験。Love&BlueのHPでは、より詳細な内部探索の様子も公開されています。
戦艦陸奥ダイビングで得られる学び
テクニカルスキルの向上
- 減圧ガス:通常50%・100%使用のところ、今回は70%を使用
- 異なるダイビングスタイルへの適応
- ストレス耐性の向上(透明度・水温の厳しい条件下)
歴史的価値の体感
80年前の戦艦という歴史的遺産を直接体験することで、単なる知識を超えた深い理解が得られます。
多様性への気づき
異なるショップ・流派のダイビングスタイルを体験することで、固定観念から解放され、新たな視点が開けます。
まとめ|戦艦陸奥ダイビングの価値
戦艦陸奥でのテクニカルダイビングは、単なるスキルアップを超えた価値ある体験でした。全長225mの世界七大戦艦という歴史的遺産を探索することで、過去と現在をつなぐ貴重な機会となります。
戦艦陸奥ダイビングがおすすめの理由:
- 日本最大級の沈没船ダイビング体験
- テクニカルダイビングスキルの実践的向上
- 歴史的価値の高い戦艦の直接体験
- 瀬戸内海という挑戦的な環境でのダイビング
今回のダイビングは、他ショップさん利用の遠征ダイブであった。つまり、ダイビングの流派も異なる。例えば、減圧ガス50%・100%を使用していたが、今回は70%を使用していた。
それが良い悪いというものではなく、「外の世界を知る」ことで、今までの当たり前が当たり前ではなくなる。縮こまっていた思考も解放される。テクニカルダイビングのトレーニングでのスキルアップはもちろんのこと、自分の知らない世界に触れることで、知識・教養が深まる。そして、自分の好きなことだから探求する。この連鎖を大切にしていこうと改めて感じた。改めてというのは同じことの繰り返しでは忘れかけてしまうので、たまに刺激を求め外の環境に身を置くことも大事だということを再認識した。