水中探求家

Kohei's travel dairy

【初心者必見】ダイビングコンピューターで安全に潜るための完全ガイド

ダイビングコンピューターとは?初心者にもわかる基本構造と役割

「ダイブコンピューター(通称ダイコン)」は、ダイビング中の安全を守る最も大切なパートナーです。
しかし、初心者の多くが「数字が多くて難しそう」「ショップで言われるままに使用しているだけ」と感じています。
この章では、ダイビングコンピューターの基本構造と役割を、専門用語をかみ砕きながらわかりやすく解説します。

ダイビングコンピューターの基本|“水中の安全ナビゲーター”

ダイビングコンピューターは、水中で「あなたの身体の状態を計算して安全を導くナビゲーター」です。

人間は水中に潜ると、体内に窒素が少しずつ溶け込みます。
この窒素が増えすぎると「減圧症」と呼ばれる危険な病気を引き起こします。
そこでダイビングコンピューターは、水深と潜水時間をリアルタイムで測定し、
体内にどれだけ窒素が溜まっているかを計算します。

例えば、水深20mに20分潜っているとき、ダイコンは
「あと何分潜っても安全に浮上できるか(NDL:減圧不要限界時間)」を画面に表示します。
この時間を超えないようにすれば、減圧症のリスクを大きく減らせます。
つまり、時計のように見えても「命を守る計算機」なのです。

初心者ほど「自分の安全を見守るパートナー」として、ダイブコンピューターを正しく理解することが大切です。

AQUALUNG CALM Plus+取扱説明書 P.20を抜粋

減圧不要限界時間(NDL)とは?初心者にもわかる例え解説

NDL(No Decompression Limit)とは、「減圧不要限界=安全にそのまま浮上できる残り時間」のことです。

ダイバーの体には、潜水時間が長くなるほど窒素が溜まります。
一定量を超えると、すぐに浮上すると危険になるため、「減圧停止(安全停止)」が必要になります。
NDLはその“限界手前の安全ライン”を示す数字です。

たとえば、NDLが「16分」と表示されている場合、あと16分以内に浮上を始めれば、減圧停止をしなくても安全に上がれるという意味です。
もしこの時間をオーバーして潜り続けると、ダイコンは警告を出し、
「減圧潜水モード(DECOモード)」に切り替わります。

TUSA マルチレベルダイビングコンピュータ(IQ1204)取扱説明書[ 第2版 ] P.28を抜粋

初心者のうちは、NDLが常に10分以上残るような余裕を持った潜水計画を立てましょう。
これが「ノーデコダイビング」と呼ばれる最も安全な潜り方です。

NDLは“水中の信号機”のようなもの。数字を見れば「今どれくらい安全か」が一目で分かります。

ダイビングコンピューターが表示する主な情報(深度・時間・浮上速度)

ダイビングコンピューターは、水中で必要な全ての情報を手元で確認できる万能ツールです。

水中では会話も難しく、計算や時間管理を人間の感覚で行うことは不可能です。
そのため、ダイコンが代わりに「今どのくらい安全か」「どのペースで浮上すべきか」を教えてくれます。

主な表示項目は以下の通りです:

  • 水深(Depth):現在の深さをリアルタイムで表示。
  • 潜水時間(Dive Time):潜り始めてからの経過時間。
  • 浮上速度(Ascent Rate):1分あたりにどのくらい浮上しているかをバーや矢印で表示。
  • MOD(Maximum Operating Depth):そのガスで安全に呼吸できる最大深度。
  • NDL(No Decompression Limit):減圧不要限界時間。
  • 水温(Temperature):環境変化を確認し、寒さによるトラブルを予防。
  • ログ情報:ダイブ後に自動保存され、スマホに転送可能。

これらの情報を一目で見られることで、経験が浅くても「安全を数値で把握」できます。

shearwater Peregrine Manual - Japanese P.9を抜粋
shearwater Peregrine Manual - Japanese P.27を引用

水中では直感より数値が信頼できます。
ダイビングコンピューターがあれば、安心して“安全ダイブ”を続けられます。

なぜ初心者こそ「My ダイコン」を持つべきなのか

初心者ほど「自分専用のダイビングコンピューター」を持つことで、
安全性とスキルの両方が大きく向上します。

レンタル品は、前回使った人の設定や履歴が残っている場合があります。
NDLの計算や減圧の判断がリセットされていないと、実際よりも“短い潜水時間”しか許されないケースもあります。
また、ボタン操作やアラーム表示がメーカーごとに違うため、慣れていないとトラブル対応が遅れます。

例えば、AQUALUNG製は大きな数字で見やすく、SUUNTO製はグラフィック表示が豊富です。
どちらも安全性は高いですが、操作感が違います。
マイダイコンを持つことで、自分の感覚に合った表示やアラームを理解でき、
次第に「安全停止」「浮上ペース」なども自然に身につきます。

「ダイビングを安全に続けたい」「ステップアップしたい」と思うなら、
最初の1本目から“自分専用のコンピューター”を使うのがベストです。

ダイビングコンピューターの主な機能と具体的メリット

「ダイビングコンピューターは安全のための道具」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし実際は、それ以上の価値があります。
この章では、ダイバーの安全を支える7つの主要機能を紹介しながら、
それぞれがどんなメリットをもたらすのかを具体的に解説します。

【NDL管理機能】減圧症を防ぎ、安心して長く潜れる

NDL(No Decompression Limit=減圧不要限界時間)管理機能は、ダイバーが安全に潜り続けるための“命綱”です。

水中では、体内に溶け込む窒素量が時間とともに増えます。
NDLは、「安全に浮上できる残り時間」をリアルタイムで計算して表示します。

たとえば、水深20mで潜っているときにNDLが「12分」と表示された場合、
12分以内に浮上を始めれば減圧停止なしで安全に戻れます。
ダイコンが自動で計算するため、初心者でも「今どれくらい安全なのか」を把握できます。

NDL機能があることで、自分の感覚ではなく「数値で安全を判断」できるようになります。
これが、ダイビングを長く楽しむための第一歩です。

【浮上速度アラーム】安全停止のタイミングを自動でサポート

浮上速度アラームは、“急浮上によるトラブル”を防ぐための機能です。

水中では、早く浮上すると体内の窒素が一気に気泡化し、減圧症を引き起こす恐れがあります。
そのため、1分間に約9〜10m以内のペースでゆっくり上がる必要があります。

ダイビングコンピューターは、浮上スピードが速すぎるとアラームや赤い警告ランプで知らせてくれます。
さらに、安全停止が必要な深度(約5m前後)に到達すると、
「3分間停止してください」と表示される機種もあります。
これにより、初心者でも正しい浮上ペースを自然に身につけられます。

浮上速度アラームは“水中のブレーキアシスト”。
焦らず、安心して浮上できるようサポートしてくれます。

【残圧モニター機能】タンク残量を手元で確認でき、集中力が途切れない

残圧モニター機能があれば、残りの空気量を手元で確認できるため、
常に安全圏で潜水を続けられます。※別途トランスミッターの費用がかかるため、高額になります。

https://apeks.xn--ccka2bf8z5b4396c0ec.jp/dsx-dive-computer/ より引用

従来は、腕にコンピューター、ホースに残圧計というように分かれていました。
しかし、トランスミッター(送信機)対応のモデルでは、
タンクの残圧情報を無線でダイコンに送信し、リアルタイムで表示します。

「AQUALUNG i770R」や「Garmin Descent Mk3」では、
残圧・水深・NDLが同じ画面に表示されるため、
視線を移動させずに確認できます。
特に初心者は、残圧計を見るのを忘れがちなので、この機能があると安心です。

残圧モニターは“安全確認を自動化”してくれる心強い味方です。
トランスミッター対応モデルを選ぶと、潜水の集中力もぐっと高まります。

【ナイトロックス設定】酸素濃度を正確に管理し、疲労軽減にも効果的

ナイトロックス(酸素濃度を高めた空気)を使う際は、
対応するダイビングコンピューターが必須です。

酸素濃度が高いガスを使うと、体に溜まる窒素が少なくなり、
減圧症のリスクを下げられます。
ただし、酸素が多すぎると「酸素中毒」を起こす危険があるため、
酸素濃度と水深に応じた管理が必要です。

たとえば、酸素32%のナイトロックスを使う場合、
「最大水深(MOD)」を自動で計算し、
危険な深さに近づくとアラームが鳴る機能があります。
この設定を間違えると命に関わるため、
ナイトロックス機能は“安全管理の要”といえます。

ナイトロックス機能があることで、
初心者でも「酸素と窒素のバランス」を正確に把握できます。
ステップアップを考えるなら、対応モデルを選びましょう。

TUSA マルチレベルダイビングコンピュータ(IQ1204)取扱説明書[ 第2版 ] P.17を抜粋
TUSA マルチレベルダイビングコンピュータ(IQ1204)取扱説明書[ 第2版 ] P.59を抜粋

【ログ機能】スマホ連携で潜水記録を自動保存・共有

ログ機能は、ダイビングの“思い出と成長”を記録してくれます。

以前は手書きでログブックをつけていましたが、
今ではBluetoothでスマホと連携し、自動で潜水データを保存できます。

アプリと連動して「水深」「時間」「最大深度」「温度」などをグラフで可視化します。
さらに、写真と一緒にSNSで共有することも可能です。
自分の潜水履歴を振り返ることで、上達や安全意識の向上につながります。

テクニカルダイビングにおけるダイブLog

ログ機能は単なる記録ではなく、“ダイビング成長日記”。
上達したい人ほど、この機能を活用する価値があります。

アプリ一覧(5機種を厳選)

App Store
Google Play ※PCより検索したURLです。
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Google Play ※PCより検索したURLです。
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Google Play ※PCより検索したURLです。
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Google Play ※PCより検索したURLです。
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【GPS機能】潜水位置を記録して、旅行の思い出も地図で残せる

GPS機能は、ダイビングの位置情報を自動で保存し、
旅の記録を地図上で振り返ることができます。

「どのポイントで潜ったのか」「どのルートを通ったのか」が分かることで、
次回の計画や安全管理にも役立ちます。

Garmin Descentシリーズでは、潜降・浮上位置をGPSで自動記録します。
旅行から帰ったあとにスマホで確認すると、潜水ルートがマップに残り、
旅の記録としても楽しめます。

GPS機能は“思い出の記録装置”。
安全管理と旅のログ、どちらも一台で叶えられます。

ダイビングの始めたては、不要な機能かつ高額になるので推奨しません。

【ソーラー/USB充電式】バッテリー切れの心配を減らし、旅先でも安心

ソーラーまたはUSB充電式のダイビングコンピューターを選ぶと、
突然のバッテリー切れを防げます。

電池交換式モデルは便利ですが、
旅行先で切れると交換が難しい場合があります。
一方、USBや太陽光で充電できるモデルなら、
旅の途中でも安心して使えます。

「AQUALUNG Calm+」や「TUSA DC Solar」は、
ソーラー発電でバッテリーを維持できる人気モデルです。
また、GarminシリーズはUSB急速充電に対応し、
数時間でフル充電できます。

Shearwater充電式

バッテリーの安心感は、ダイビング旅行の快適さを左右します。
“電池切れの不安ゼロ”が、思いきり海を楽しむ秘訣です。

ダイビングコンピューターの選び方|初心者が失敗しない7つのチェックポイント

初めてのダイビングコンピューターを選ぶとき、どれを選べばいいのか迷う人は多いです。
値段も見た目もさまざまで、「高ければ安心?」と思いがちですが、
実際は自分の潜り方やレベルに合った機能を選ぶことが大切です。
ここでは、初心者でも失敗しないための7つのポイントを順番に解説します。

画面の見やすさ(視認性)は最優先!水中では「大きな文字」が命

ダイビングコンピューターを選ぶとき、最も重要なのは「画面の見やすさ」です。

水中は光が少なく、視界がぼやけやすい環境です。
数字が小さいと、深度やNDLを確認しようとしても読めず、焦ってしまうことがあります。
視認性が悪いと、減圧管理ミスにつながるリスクもあります。

Shearwaterは、大きなカラーディスプレイで文字がはっきり表示されます。
一方で、コンパクトモデルは画面が小さく、数値が細かくなりがちです。
初心者のうちは「大きくてシンプルな表示」が安全につながります。

shearwater Perdix 2 Recreational Manual- Japanese P.1を抜粋

デザインよりも“読みやすさ”。
数字がはっきり見えるモデルを選ぶことが、安全ダイビングの第一歩です。

ボタンの押しやすさ・操作性|グローブでも使いやすい設計を

操作ボタンの押しやすさも、初心者が意外と見落としがちなポイントです。

ダイビング中は厚手のグローブを着けるため、小さなボタンだと押しにくく、誤操作の原因になります。
また、メニューが複雑すぎると、潜水前の設定で焦ってしまうこともあります。

TUSA IQ1203やAQUALUNG i100は、ワンボタンまたは大型ボタンで操作がシンプル。
初心者でも迷わず設定できます。
一方、上級者向けモデルはボタンが多く、ガス切り替えやマルチモード操作など機能が複雑です。

「簡単に操作できること=安全」。
始めは水中での安心感を優先して、ボタンが大きく押しやすいモデルを選びましょう。

バッテリータイプ(交換式・USB・ソーラー)を比較

電池タイプは、使い方と旅行スタイルに合わせて選びましょう。

交換式は電池が切れてもすぐ交換できますが、ソーラーやUSB充電式は手軽でメンテナンスが少なく済みます。
それぞれにメリットと注意点があります。

  • 交換式→電池が手軽に変えられるが、Oリングの防水性に注意。
  • USB充電式→充電時間が短く、スマホ感覚で使える。
  • ソーラー充電式→バッテリー切れの心配が少なく、長期旅行にも最適。

頻繁に潜る人はソーラー式、旅行メインならUSB式がおすすめ。
電池切れは潜水トラブルの原因になるため、「充電のしやすさ」で選びましょう。

【参考】トランスミッター対応で残圧も管理できるモデルを検討

トランスミッター対応モデルを選ぶと、タンク残圧を手元で確認できて安全性が大きく上がります。

残圧計を頻繁に見るのは手間がかかり、集中力が途切れます。
無線で残圧情報を受信するダイブコンピューターなら、視線を動かさずに残量確認が可能です。

Garmin Descent Mk3やAQUALUNG i770Rは、タンクの残圧をリアルタイムで表示します。
さらに、空気の消費スピードから「あと何分潜れるか」まで自動で計算してくれる機種もあります。

トランスミッター対応モデルは“安全の自動化”。
余裕をもって潜りたい人や、将来的にステップアップを考える人に最適です。

ダイビングコンピューターのメーカー別の特徴は?

メーカーによって得意分野や設計思想が違うため、
自分の目的に合うブランドを選ぶことが大切です。

各社はユーザー層を明確に分けており、操作性や表示のクセが異なります。
それを理解して選ぶと、使いやすさと満足度が格段に上がります。

  • AQUALUNG(アクアラング):初心者に人気。視認性が高く操作が簡単。ソーラー充電タイプも豊富。
  • TUSA(ツサ):日本製ならではの信頼性。シンプルで壊れにくく、価格も手頃。
  • Shearwater(シェアウォーター):プロダイバーやテクニカル向け。操作性抜群で精度が高い。
  • Garmin(ガーミン):多機能スマートウォッチ型。GPS・心拍・通知機能を搭載し、日常使いにも◎。
  • SUUNTO(スント):北欧デザインが特徴。大画面でグラフィカルな表示が魅力。

「安全性ならAQUALUNG」「使いやすさならTUSA」「デザイン性ならGarmin」。
自分のダイビングスタイルと性格に合うメーカーを選ぶと失敗しません。

デザインとカラーも大切!お気に入りの1台を選ぶコツ

見た目を気にすることはモチベーションにもつながります。

お気に入りの色やデザインのダイコンを使うと、
自然と潜る回数が増え、操作にも慣れやすくなります。

GarminやSUUNTOはカラーバリエーションが豊富で、
女性向けのピンクやホワイトモデルもあります。
また、交換用バンドで自分好みにカスタマイズできる機種も人気です。

アクアラング CALM plus+ 2025年製より引用

「かわいい」も立派な安全対策。
自分が使いたくなる1台を選ぶことが、上達への近道です。

最低限押さえたいダイビングコンピューターの使い方と安全管理

ダイビング前に必ず確認する設定項目(時刻・ガス・単位)

潜る前に設定を間違えると、正確なデータが表示されず、危険につながります。

ダイビングコンピューターは、設定された「時刻」「ガス種類(空気 or ナイトロックス)」「単位(メートル or フィート)」をもとに計算を行います。どれかがズレると、NDLや水深が正しく表示されません。

例えば、海外旅行でダイブする際に単位をフィートのままにしていると、
実際の水深より浅く見えてしまい、減圧症のリスクが高まります。
また、ナイトロックスを使う場合は、酸素濃度を設定しないと酸素中毒の警告が正しく出ません。

潜水前には必ず「時間」「ガス設定」「単位」を確認する習慣をつけましょう。
これだけでトラブルの多くを防げます。

エンリッチドエア設定方法とMOD(最大潜水可能水深)の意味

ナイトロックスを使うときは、酸素濃度を設定し、MOD(Maximum Operating Depth=最大潜水可能水深)を理解しておくことが重要です。

酸素濃度が高くなると、体に取り込まれる酸素も増えます。
一定の深さを超えると酸素中毒のリスクが上がるため、ダイコンが「どこまで安全に潜れるか」を計算します。

たとえば酸素32%のナイトロックスを使用する場合、MODはおおよそ34m前後です。
GarminやShearwaterのダイコンは、酸素濃度を設定すると自動でMODを表示し、
危険な深度に近づくと警告音や赤ランプで知らせます。

MOD(最大潜水可能水深)は“酸素の限界ライン”
ナイトロックスを使う際は、必ず酸素濃度とMODをセットで設定し、安全圏内で潜りましょう。

【重要】NDLがゼロになったときの正しい対応

NDL(減圧不要限界時間)がゼロになったら、浮上を始めるのが基本です。

NDLがゼロということは、すでに体内の窒素が限界近くまで溜まっている状態です。
そのまま潜り続けると、減圧潜水(DECOダイブ)となり、浮上時に特別な停止時間が必要になります。

急浮上すると危ないので、ゆっくり浮上してください。

いきなり減圧症になることはありません。また、浮上中にDECOが解消される場合もあります。

ダイブ中にNDLが「0」になると、多くのコンピューターはアラーム音を鳴らし、
「減圧停止を行ってください」と表示します。
初心者がこれを無視すると、浮上後に頭痛や関節痛など、減圧症の症状を起こす可能性があります。

NDLがゼロになったら“遊びは終了”。
安全停止を行い、ゆっくりと浮上することが何より大切です。

安全停止のやり方と注意点

安全停止は、ダイビング後の“体内リセットタイム”。
減圧症を防ぐために欠かせないステップです。

潜水中に体内に溶け込んだ窒素は、ゆっくり浮上することで自然に抜けていきます。
しかし、スピードが速すぎると窒素が気泡化し、減圧症のリスクが高まります。

多くのダイビングコンピューターは、浮上時に自動で安全停止タイマーを起動します。
たとえば「5mで3分間停止」という表示が出たら、
その深度をキープし、時間がゼロになるまで動かないようにします。
カウントダウンが見えるため、初心者でも正確にタイミングを守れます。

sharewater Peregrine Manual - Japanese P.23を引用

安全停止は「面倒」ではなく「命を守る3分間」。
水深5mで3分、ゆっくり呼吸しながら浮上する習慣をつけましょう。

ダイビング後にログをアプリで確認・共有する方法

ダイビング後は、ログデータを確認して「学び」を次に活かしましょう。

どんな深さでどれくらい潜ったか、NDLの推移、浮上スピードなどを見直すことで、
安全性の向上とスキルアップにつながります。

AQUALUNGのi300CやGarmin Descentシリーズでは、
Bluetoothでスマホと接続し、アプリ上で潜水ログを自動記録します。
たとえば「前回より浮上速度が速かった」など、自分の傾向を確認できます。
さらに、写真と一緒にSNSで共有すれば、旅の記録としても楽しめます。

ログの確認は「安全ダイビングの復習」。
アプリを使えば、記録も簡単で楽しく続けられます。

ダイビングコンピューターを長く使うためのメンテナンス方法

せっかく手に入れたダイビングコンピューターも、手入れを怠ると故障や水没の原因になります。
水中で使う精密機械だからこそ、日々の扱い方で寿命が大きく変わります。
ここでは、誰でもできる基本的なメンテナンス方法を4ステップで紹介します。

潜水後の洗浄・乾燥の手順

ダイビング後は、真水でしっかり洗って塩分を落とすことが何より大切です。

海水がついたまま放置すると、内部のボタンやセンサー部分に塩が結晶化して固着し、操作不能や故障の原因になります。
また、塩分は金属部分の腐食も進めるため、長期的に見て機械の寿命を縮めます。

ダイブ後はすぐに真水に10〜15分ほど浸け、ボタンを数回押して内部の塩分も洗い流します。
その後、柔らかい布で水分を拭き取り、風通しの良い場所で自然乾燥。
ドライヤーなどの熱風を当てるのはNGです。
特にGarminやAQUALUNGなどUSB充電式モデルは、充電端子の水分も丁寧に拭き取ることが大切です。

“潜ったら洗う”を習慣に。
塩抜きと乾燥が、ダイコンを長く使うための最も簡単で効果的なメンテナンスです。

保管時の注意点と防水チェック

ダイビングコンピューターは、高温多湿や直射日光を避けて保管しましょう。

高温になる車内や窓際に放置すると、液晶の変色や内部パッキンの劣化を招きます。
また、長期間使わないときに湿気がこもると、防水性能が低下します。

旅行後は、完全に乾かしたあとでケースに入れ、乾燥剤を同封して保管します。
半年以上使わない場合は、潜水前に「Oリングのひび割れ」「ボタンの反応」を確認。
TUSAやAQUALUNGなどの交換式モデルは、年1回ほどの防水チェックをショップに依頼するのが安心です。

防水性は“静かな命綱”。
見た目がきれいでも内部のパッキンは消耗するため、定期チェックを忘れないようにしましょう。

電池交換・ソフトウェア更新のタイミング

バッテリーやソフトのメンテナンスを怠ると、潜水中に突然止まる危険があります。

電池残量が少ないと、潜水中に画面が消えたり、データが記録されないトラブルが起こることがあります。
また、最新のソフトウェアにアップデートしていないと、誤差やバグが残っている場合があります。

  • 電池交換式モデル(例:AQUALUNG i100/SUUNTO ZOOP NOVO)
     → 年1回、もしくは使用50ダイブを目安に交換。防水検査もセットで依頼。
  • USB充電式モデル(例:Garmin Descentシリーズ)
     → 充電後に残量80%以上をキープし、長期保管中は2〜3か月ごとに再充電。
  • ソフト更新
     → Garmin、Shearwaterなどは専用アプリで自動更新可能。バグ修正や新機能追加もあるため定期的に確認。

「潜る前に充電」「潜る季節ごとにチェック」。
この2つを守るだけで、ダイコンの信頼性は大きく上がります。

故障を防ぐための“やってはいけない使い方”

ダイビングコンピューターは精密機器です。
日常の何気ない扱いが、実は大きなダメージを与えていることがあります。

強い衝撃や誤った洗浄、過度な水圧は、内部センサーの破損や圧力計のズレにつながります。

  • 水中で岩にぶつける、ボートデッキに落とす
  • 潜水直後にリンス槽に勢いよく投入
  • 熱湯や洗剤で洗う
  • 水中でボタンを連打する
  • 長期保管中に電池を入れっぱなしにする(液漏れの原因)

こうした小さなミスが積み重なると、液晶の曇りやアラーム誤作動が起こりやすくなります。

“道具を大切にする人が、安全に潜れる人”。
丁寧に扱えば、5年〜10年と長く使える信頼のパートナーになります。

ダイビングコンピューター購入前の注意点

「安いから」「デザインがかわいいから」といった理由だけでダイビングコンピューターを選ぶと、後悔するケースが少なくありません。
特に初心者ダイバーは、スペックよりも“自分の使い方に合っているか”を重視する必要があります。
ここでは、購入前に必ず確認しておきたい4つのポイントを紹介します。

中古品を購入する際のリスクと確認ポイント

中古ダイビングコンピューターは価格が魅力的ですが、リスクも大きいため慎重に選びましょう。

内部センサーやOリングの劣化は見た目では分かりにくく、誤表示や水没の危険があります。
また、前オーナーのログや設定が残っている場合、リセットできないトラブルもあります。

たとえば、ヤフオクやフリマアプリで出回る旧型モデルの中には、
防水パッキンが交換されていないものや、メーカー保証が切れているものも多いです。
購入する際は以下の3点を必ずチェックしましょう:

  1. 防水検査の有無(ショップで耐圧検査済みか)
  2. 電池交換履歴(交換時期・純正パーツ使用の有無)
  3. リセット機能の確認(ログデータ初期化が可能か)

中古購入は「価格」より「安全」を優先。
信頼できるダイビングショップや正規代理店を通して購入するのが最も安心です。

並行輸入品と正規品の違い

並行輸入品は安く買える反面、サポートや保証面で不利になることがあります。

国内正規品は、メーカー保証(通常2〜3年)や修理受付、ソフト更新などのアフターサービスを受けられます。
一方で、並行輸入品は保証が海外限定だったり、修理対応が有料になるケースもあります。

GarminやSUUNTOなどの海外ブランドは、国内サポートが充実しているため、
正規販売店で購入すれば修理・電池交換もスムーズに行えます。
一方、海外通販で購入した並行輸入品では「修理拒否」「部品未対応」といったトラブルが実際に報告されています。

“安い=お得”とは限りません。
安心して長く使うなら、正規品を選びましょう。

保証期間・防水テスト・アフターサポートの確認方法

購入前に、保証とサポート体制を確認しておくことが安全と安心の鍵です。

ダイビングコンピューターは水中で使用する精密機器。
もしもトラブルが起きたとき、すぐ修理できる環境があるかどうかが重要です。

  • 保証期間:AQUALUNGやTUSAは「3年水没保証」を設けており、国内で無料修理が可能。
  • 防水テスト:購入時や電池交換時に耐圧検査を実施してくれるショップを選ぶ。
  • サポート体制:GarminやShearwaterは公式アプリ経由でサポートチャット対応あり。

買う前に「保証」「防水」「対応先」をセットで確認。
トラブル対応の早さが、結果的に“長く安心して使える”ポイントになります。

旅行前に必ずやっておく初期設定

旅行やツアー前には、初期設定を確認しておくことで現地トラブルを防げます。

海外では水深単位や時差、気圧条件が異なるため、設定ミスがデータ異常につながります。
特にナイトロックス使用時は酸素濃度の設定を忘れやすいです。

出発前に以下をチェックしましょう:

  1. 時刻・単位(m/ft):現地時間に合わせる
  2. ガス設定:空気 or ナイトロックスを再設定
  3. 電池残量:100%に充電 or 交換
  4. 言語設定:日本語対応モデルで安心
    また、GarminやAQUALUNGのBluetooth対応モデルなら、
    出発前にアプリと同期しておくことで、潜水ログや日付のズレを防げます。

“潜る前の準備”が、安全ダイビングのスタート。
現地で慌てないよう、旅行前の設定確認をルーティンにしましょう。

ダイビングコンピューターに関するQ&A

初めてダイビングコンピューターを買うとき、「どれを選べばいい?」「本当に必要?」と迷う人が多いものです。
ここでは、初心者から中級ダイバーまでが気になる疑問を、わかりやすく解説します。

ダイビングコンピューターは必ず必要ですか?

はい。安全に潜るためには、ほぼ必須の器材です。

水深や潜水時間を正確に記録し、体内に溜まる窒素の量をリアルタイムで計算してくれるからです。
これがないと、「どれくらい潜っていいか」が分からず、減圧症のリスクが高まります。

たとえば、1本目を25mで30分潜ったあと、休憩して2本目を潜る場合、
体内に残っている窒素量を自分で計算するのは困難です。
ダイコンがあれば、自動でNDL(減圧不要限界時間)を再計算し、安全な潜水をサポートしてくれます。

“安全に潜る”ための基本装備。
レンタルでも良いですが、最終的には自分専用の1台を持つのがおすすめです。

レンタル品とマイダイコンの違いは?

マイダイコンの方が、安全性・快適性ともに圧倒的に優れています。

レンタル品は設定や履歴が前の利用者のまま残っていることがあり、NDLやガス設定がズレている場合があります。
また、機種が毎回変わると操作方法も異なるため、誤操作のリスクも高まります。

沖縄などのリゾートでは、レンタル機の電池残量が少ないまま貸し出されるケースも。
潜水中に電源が落ちると、減圧情報が失われてしまいます。
自分の機器なら、使い慣れた操作で確実に安全管理ができます。

マイダイコンは“安全ログブック”。
自分専用の設定と記録を一貫して管理できるのが最大の強みです。

スマートウォッチ型のメリット・デメリットは?

日常使いができるのが魅力ですが、潜水専用機よりバッテリー持ちが短い点に注意が必要です。

スマートウォッチ型はGPS・心拍計・通知機能など多機能で便利な反面、電力消費が多く、長期ダイブ旅行には向かないことがあります。

ソーラー充電対応モデルなら、旅行中でも充電切れの心配が少なく、日常生活ではSuicaやLINE通知も使えます。
ただし、ナイトロックス設定やNDL管理の操作は専用ダイブ機よりやや複雑です。

「日常+ダイビング」を1本でこなしたい人にはおすすめ。
頻繁に潜る人は、バッテリー持ちの良い専用機も検討しましょう。

ナイトロックス対応モデルを選んだ方がいい?

はい。将来的に必ず役立つため、対応モデルを選んでおくのが賢明です。

ナイトロックス(酸素を多く含むガス)は、疲労軽減や連続潜水での安全性向上に優れています。
対応していない機種では、酸素濃度の設定ができず、使用できません。

AQUALUNG i330RやShearwater Peregrineなどは、空気・ナイトロックス両方に対応。
将来アドバンス講習や海外ダイブでナイトロックスを使う際も、買い替えずに対応できます。

“今すぐ使わなくても、あとで使う可能性が高い”。
ナイトロックス対応モデルを選んでおくと無駄がありません。

中古品でも安全に使えますか?

メンテナンス履歴が明確であれば可能ですが、慎重な確認が必要です。

センサーやOリングの劣化、バッテリー液漏れなどは外見から判断できません。
また、防水検査をしていない中古品はリスクが高いです。

AQUALUNGやTUSAの国内正規店では、中古再整備済み品(防水・バッテリー交換済)を販売することがあります。
こうした認定中古品なら安心して使用できます。

“整備済み”かどうかが判断基準。
ネット個人売買よりも、メーカー保証付き中古を選びましょう。

ログ機能を活用するメリットは?

自分の潜り方を客観的に分析でき、安全性と上達スピードが上がります。

潜水時間や最大水深、浮上速度をデータで振り返ることで、
「どのタイミングで疲れるか」「浮上が速すぎるポイント」などを可視化できます。

Garmin、AQUALUNG、ShearwaterなどのBluetooth対応モデルでは、
アプリで潜水ログをグラフ表示し、写真や位置情報も一緒に記録可能。
「自分のダイブ履歴を見返す楽しみ」も広がります。

ログ機能は“安全管理+成長記録”。
習慣的に確認することで、スキルアップが確実に早まります。

トランスミッターは初心者にも必要?

あれば便利ですが、必須ではありません。

トランスミッターはタンク残圧をワイヤレスで送信する機能で、
手元で確認できるため残圧計を見る回数を減らせます。
ただし、価格が高く、初心者にはややオーバースペックです。

Garmin T2やAQUALUNGのCalm ACTなどは、残圧表示に対応しています。
深場や複数タンクを使うテクニカルダイブでは特に便利ですが、
通常のレジャーダイブでは残圧計で十分対応可能です。

「将来テクニカルや長時間潜水を目指すなら導入検討」。
最初はシンプルな機能から始め、必要になったときに追加すればOKです。

まとめ|自分の潜り方に合ったダイビングコンピューターで“安全と楽しさ”を両立

ダイビングコンピューターは、ただの時計やガジェットではありません。
「安全に潜り、安心して浮上するためのパートナー」です。
ここでは、これまでの内容をまとめながら、初心者がどのように選び、どう使えば安全に楽しめるのかを整理します。

初心者こそ「NDL」「浮上速度」を理解して安全に潜ろう

NDL(減圧不要限界時間)浮上速度の2つを理解するだけで、事故リスクを大きく減らせます。

これらは体内の窒素量をコントロールする重要な指標。
無理な潜水や急浮上は、減圧症の原因になるため、ダイコンを正しく見る習慣が欠かせません。

NDLがゼロに近づくと警告音と点滅で知らせてくれます。
また、浮上速度が速いと「SLOW」表示やアラームで注意を促す設計になっています。
このように、機能を理解して活用すれば、難しい理論を覚えなくても安全に潜れます。

数字を見るだけでなく、「なぜその数字が大切なのか」を理解する。
これが、“事故を防ぐダイバー”になる第一歩です。

“見た目のかわいさ”と“安全性能”を両立できる時代に

最近のダイビングコンピューターは、デザインと安全性の両方を兼ね備えています。

以前は「ごつくて重い」印象がありましたが、現在は女性ダイバー向けの軽量・おしゃれモデルが増えています。
しかも、安全性能やNDL表示の視認性はさらに進化。

Garmin Mk3SやAQUALUNG Calm+は、スリムで腕時計のような見た目ながら、
ソーラー充電・ナイトロックス対応・Bluetooth連携といった高性能を備えています。
「かわいい=初心者向け」という時代は終わり、“かっこよく安全に潜る”が新しい常識です。

デザインを妥協せずに安全を手に入れることができる。
あなたの1台が、海の思い出を何倍も豊かにしてくれます。

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